五行で快適☆メンタルらいふ!(という名の補習)


昨日は皆基礎あると思って前提話すの忘れたよね!

そもそも五行って何?陰陽師とかが使ってるなんか不思議なものでしょ?という認識が強いかと思われますが、一面はあたり。一面はハズレ。

すごーーーーく大雑把に言ってしまうと「昔の人が考えた見えない世界の原子と化学」なのです。

キリストなんて生まれるはるか前の人間も言葉を話して社会を作り、そして「自分たちがなぜ生きているのか」「世界はどうやって作られているのか」を結構必死に考えていました。
世界の作り方がわかれば不作の年も、きびしい環境も変えられるかもしれない……知識がダイレクトに生死に関わってくる時代です。そりゃあもうその時代のエリートがこぞって必死に考えていました。

まずは「世界を形作る要素」は何か……ギリシャ人がアルケーと呼んだ「万物の根源」または「根源的原理」はたった一つとも、対立する陰陽とも考えられてきました。様々な哲学者がそこから生まれ、水だの火だのいやいや数だアトモスだのカオスだのやいのやいの西の方で言われていた頃、東の方では「陰陽と五行」説が採用されていました。
まぁ、言っちゃえば四大元素だって陰陽の対立ではあるんだけど……とかアートマンとか有とかインド哲学とかはまた今度な。うっかり踏み入れると楽しくて夜が開けるから。

まずはじめに0も1も分かつことができない混沌があり、太極という「有」が産まれました。「有」は混沌から生まれたのでその中に「無」を含んでいて、そのうち陰陽に分離しました。
陰の中で特に冷たい(活動的でない)部分が集まりだし、北に移動して水行を生じ、次いで陽の中で特に熱い(活発な)部分が南へ移動して火行を生じました。ここで多い・少ない、寒い北暑い南という比較が生じました。
さらに残った陽の比較的冷たい陽気は陰に引かれ東に移動し風となって散って木行を生じ、残った陰気も陽気に惹かれ西に移動して凝り固まって金行を生じます。
そしてぐるぐる四方の各行を回すうち、おちついた気が中央に集まって土行が生じました。中央ができたので比較で上と下ができて空と大地となってその形質は花咲き、今のような多彩な世界が作られた…
というのが基本の五行の成り立ちです。

根本となる陰陽道の互根・制約・消長・転化・可分といった
「互の中に互が存在して、片方がいて初めてもう片方が成り立つ」
といった道理の上に、5種の基本要素(というよりも状態、過程、形容詞みたいな)行という考え方が加わって
「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」
という一応万物の行動を説明できそうな理論が出来上がったのです。

ここまでWikipedia集合知ってすごいですよやっぱ、わかんなかったらぐぐろ、と決意が新たですね。

さて、五行が分かると必然的にその性質がなんとなく掴めます。

冷たいので陰は冬、でそこから生まれた水は受動・凝縮といった傾向があります。ならば必然的に反対の活発・夏・拡散は火です。
冬から夏になるのでその場所にいる木は春に活発になり空に枝葉を広げます。
逆に夏から冬にかけて万物は凝縮を始め実りだし、砂岩が金脈になるころ凝縮は極まって水脈を呼びます。
これが健やかに動いていれば――夏は暑く・冬は寒くあれば植物、動物、土地のすべてが滋養に満ちてその天命を果たす、となるわけです。

これを正しいとするならば、よく言われる「邪」とは何か…
感じるを論ずるに「自分に害のある」ことです。

え?正義ってないの?っておもいますけど、じゃあ皆さんの思う悪い状態ってなんでしょう。人の社会だと難しいですけど、自然で言うと…沼とか、腐った死体とか骸骨とか…異臭がして、なんか体に悪そうで、べとべとで…
つまり、流れが澱んで腐っちゃってる感じじゃないですか?

死んだ肉には蛆が湧きます。
熟れた果実にはカビが生えます。
「陰極まれば転じて陽となる」のごとく、詰まってしまったルートを処理する天命の方々が今日もどこかで一生懸命職務を全うしていますね。
ですが、この方たちの職務は詰まったルートに入ってしまったものを詰まる前まで戻すこと。「私たちが食べてもお腹壊さないように気配りする」ことでは全く断じてありえません。しかも、この方たちのお仕事場は至る所にあって、私たちはそれを一度でも口にすると死にかけます。もう一度言います、死にかけます。
長年の経験を積み重ねた私たちの体はそうならないように「害のあるものにアラームを鳴らす」ことを覚えました。いわく「気持ちが悪いように感じる」…「危険」。
「邪」だったりするのはそういう「天命を果たそうと本能で動いている」子達が何も考えずにかぶりついてくることだったりします。
つまり、便秘してると腐るしくさくなるし虫よってくるよ!!ってことです。でも虫さんたちは本能で動いてるので寄ってきたはいいものの、もっと美味しそうなところに噛み付いてきたりするわけです、その人の腹の肉とか、ほかの人たちとか。

ではかぶりつかれちゃたまらない私たちはどうするか、「かぶりつかれない要素を増やしてその真似をする」のが手っ取り早いと考えました。擬態ですね。
腐らない代表格…五行だと陰陽の極に当たる火・水は言わずもがなですが、火をそのまま食べたり身につけると普通に死にますね。水は良さそうですが、身の内に溜め込む習性があります。腐ってたら口にした瞬間アウトです。

さて困ったところにあるのが…金。
金属は腐りません。錆びることはありますが、その性質は「収める・固定する」なので手入れをすれば元に戻ります。加工をすれば武器にもなって強そうです。
と昔の人が思ったのか知らないですが、金の行に属するものは古来より破魔として用いられてきました。鏡然り、剣然り、その行に類するお香や銀を用いてみたり、お米をまいたり手を叩いたり。
実際金の行を強化することは魄(=今の自分の自覚・カラダの感覚)を強化しますので魂が地に降りてきます。かっちり鎧の中に自分を入れるようなものでしょう。

なかでも庶民にまで用いられ親しまれたのが桃です。
その頃の桃は身が固く、あんまり美味しくなかったそうですがその葉や木には殺菌作用が有り、皮膚病や便秘薬wにも用いられたそうです。まさに安心安全清潔のイメージを口にし取り込んで、魄と体を養い、不要な邪を避けていたんではないでしょうか。
(そもそもバラ科の果物は総じて退魔能力が強く…ま、悪いところもありますが手軽でお勧めです)

ご自宅でちょっといやーな感じの時はももをひとつ、まるかじりしてみてはい
かがでしょうか。

ただ、桃にもひとつふたつ欠点が。
そもそも果実は種が芽を出すための栄養、つまり転化して陽になるためのものなので属は陰、中でも熟れきった果肉グズグズの桃は極の陰の上に転化先の水にとても近い状態になります。魄の強化としては効果は今ひとつな上、イマイチ不安定で逆に虫を寄せます。
また、湿気に弱く、根腐れしやすいので土の行が多かったりちゃんとグラウディングできていない人は逆に開けっ放しになってしまう効果もあります。
桃の葉だって乾燥させないと青酸系の毒を持っていますし。

金だけに諸刃の剣ってか!?